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ディズニーランド

ディズニーに学ぶ集客力

ディズニーに学ぶ集客力

ディズニー映画といい、東京ディズニーランドといい、ディズニーはいまなお新鮮で、幅広く日本人の気持ちを捉えているようです。はたして、なぜか。その背景を探ってみたいと思います。

■ディズニーランド&ディズニーシー、合わせて6億人突破

2014年4月12日、ディズニーランドとディズニーシーへの入園者数が開園以来、6億人に達したと報道されました。開園されたのが、1983年4月15日の開園ですから、31年間でこれだけの動員数を果たしたことになります。

開園以来2010年までの入場者数の推移を示したのが下のグラフです。

 

資料:http://tdl-web.blogspot.jp/2011/04/blog-post_19.html

これを見ると、2001年から2002年にかけて入場者数は急増し、以後、高止まりしています。なぜ、2001年に急増したかといえば、2001年9月4日にディズニーシーが開園したからでした。以来、入場者数が高止まりしているのは、ディズニーが顧客満足度の高いサービスを提供しているからでしょう。

オリエンタルランドはIR情報として、入場者数の推移と各年度のイベント等の関連を示すデータを公開しています。この資料からなぜ、ディズニーの観客動員力が高いのかを考えてみたいと思います。

■データから見る動員数の推移

オリエンタルランドのIR資料室が発行しているファクトブックをみると、入場者数の増加は記念イベントの開催と密接に関係していることがわかります。

たとえば、1984年に開園して以来、年間1000万人程度だった入場者数が1989年には一挙に340万人ほど増加しています。それはこの年に開園5周年イベントが開催されていたからであり、また、舞浜駅が開業してアクセスしやすくなったからでした。グラフを見ると、なぜ動員数が増えていったのか、その理由がはっきりとわかります。

以後、毎年ほぼ1600万人から1700万人が入場していますが、2001年9月4日にディズニーシーが開園してからは一挙に2200万人台になりました。そして、翌年以降、入場者数は2500万人前後で一定しています。さらに、ディズニーリゾートが25周年を迎えた2009年には2700万人を超えています。大きなイベントが開催された年度に入場者数がぐんと増えている傾向が見られます。

ファクトブックはこちら。http://www.olc.co.jp/ir/pdf/factbook/2013/factbook_05.pdf

全体を通していえることは、1984年以降、一貫して入場者数が増え続けているということです。だからこそ、累計で6億人を突破するまでに至ったのでしょうが、その背景に何があるのでしょうか。

■ディズニーに学ぶファンと顧客の増やし方

4月16日、練馬区産業経済部経済課主催で講演会が開催されました。ディズニーで長年、社員教育を担当してきたJSパートナー代表取締役の福島文二郎氏が演者で、講演のタイトルは、「ディズニーに学ぶファンと顧客の増やし方」です。

なぜ、ディズニーランドはこれほどまでに人々をひきつけているのでしょうか。福島氏の話で最も印象に残ったのが、入場者に小さな感動をたくさん提供するということだということでした。それが予想外の感動を生み出す可能性につながり、幸せを感じてもらえるようになるというのです。

一方、ディズニーランドで働く人々は仕事に満足し、仕事を主体的に改善しようとする意欲を持ち続けているようです。ミスをすることがあれば、それはそのまま放置するのではなく、上司が叱ることによってミスが改善されていくだけではなく、新たなサービスになることもあったようでした。

ディズニーランドに行けば異次元の世界に浸ることができ、行かなくても、おそらく、夢のありかとして人々の心に存在することができているのでしょう。だから、これだけの入場者数を維持できているのだと思いました。映画だけではなく、ディズニーリゾートもまた夢を与えてくれます。つまり、ディズニーは一種の夢のブランドとして機能しているからこそ、いつまでも新鮮さを持ち続け、人々を引き付けているのでしょう。ディズニーの動員力の源泉は人々の夢見る気持ちを喚起する力ではないでしょうか。(2014/4/16 香取淳子)