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アニメの動員力:6月実施予定の池袋シネマチ祭

アニメの動員力:6月実施予定の池袋シネマチ祭

アニメの動員力:6月実施予定の池袋シネマチ祭

■アニメファンの街:池袋

日経新聞(4月4日付)が、池袋の映画館等が6月にアニメを中心にした映画祭を開催すると報じました。アニメグッズなどのサブカルチャー関連店舗が集積している池袋は、近年、「アニメファンの街」としての存在感が高まっているといいます。そこで、6月6‐8日、5つの映画館とアニメイトが中心になって、池袋シネマチ祭を開催するというのです。

アニメイトは、アニメ、コミック、ゲームなどの関連商品の販売を手掛けるチェーン店で、島根県を除く46都道府県に店舗を置く、国内最大手の企業だそうです。その本店が池袋にあり、池袋本店にはアニメ映画を上映できるホールもあります。

シネマチ祭ではアニメ映画を上映するだけではなく、声優や監督のトークイベント、ファンの交流、アニメキャラクターに扮して街の清掃を行う「コスプレ大清掃」などのイベントも予定されています。アニメといえば秋葉原と思っていただけに意外です。

■エリア全体の魅力

日経新聞によれば、池袋の映画館がこのような企画を打ち出した背景には都内で映画館の閉館が相次いでいることへの危機感があるようです。たしかに、大画面、デジタルドルビー音声のシネコンにはスクリーンがいくつもあり、そこで映画を見慣れてくると、これまでの映画館が物足りなくなります。エリア全体の魅力を高めなければ、映画館が単独で生き残るのは難しくなってきたというのは事実でしょう。

その映画も近年は、アニメが興行収入トップであることが多いといいます。たとえば、『アナと雪の女王』(ディズニー)は3週連続で1位を獲得しています。土日2日間の成績は動員69万1321人、興行収入は8億8121万2200円をあげたそうです。累計をみると、公開17日間で動員数が430万人、興行収入が52億円を突破したといいます。子どもの人口が減っているというのに、アニメ映画が驚異的な数字を積み上げているのです。このような現実を知ると、アニメに注目した企画になるのも当然といえましょう。ちなみにこの企画には豊島区が支援しているといいます。

豊島区は2004年に「文化創造都市宣言」をして以来、文化事業の展開によって着実に区のイメージアップ、動員効果を上げています。その結果、財政状況も改善させることができたようです。(http://toyokeizai.net/articles/-/28135

■アニメの動員力

6月に池袋で実施されようとしているアニメ祭。この企画からはいくつかのことが示唆されています。一つには、郊外型のシネコンに押され、都心部の映画館が不振だということ、都市間競争で優位に立つには文化政策が不可避であること、そして、もっとも示唆深いのが、アニメ関連事業でなければ多数の人々を動員できないこと、等々です。

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東京ビッグサイトで撮影した写真です。多数のアニメファンが集まりました。

ここ数年来、地方でアニメによる地域起こしが盛んなことは知っていましたが、東京でもそのような現象が起こっているとは驚きです。子ども人口が減っているというのに、この現象はいったい何を意味するのでしょうか。改めて考えてみる必要がありそうです。(2014/4/7 香取淳子)

 

 

 

 

 

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